思い出のヨーヨーの中で
僕は、猫とランプにおいて極めて個人的な曲と詩を書いている。
そして、その中でも特に思い出のヨーヨーをひどく気に入っている。
今日、助手席の日焼けも下ろすような眩しい夕焼けを浴びながら、目の前を通った新京成電鉄にそんな事を思わされた。
「君を夕暮れの新京成で見かけちゃった」
高校生活の冬、デートするお金もなかったから松戸から新京成の線路沿いを12kmほど歩いた後、五香の日高屋で食べたラーメンの美味しさと、夕焼けに照らされながらこんなに歩いているのに笑ってくれている笑顔は、もう遠いどこかの国での出来事のホームビデオの様に感じる。
だけど、そんな夢みたいな日々のおかげで思い出のヨーヨーを書けた。
僕が渋谷に行くために東武野田線から総武線へ、そして都営新宿線に乗り換えようとも、心はいつでも新京成電鉄の中にある事を誓い、これからも僕は誰かと出会い別れて、こんな曲を書き続けたいと思う。
今月はライブもありますし、レコーディングもします。
どうか、猫とランプを令和元年もお願いしますね。
松本大地