猫とランプの軽読ブログ

猫とランプのブログ。

大地

続、ショッピングモール

今日も冴えない顔と髪型を入り口のガラスで確認し、手の消毒を済ませて入った右側にはペットショップ。 ショッピングモールには少し似合わない獣の匂いはすぐに足取りと共に薄れて行き、ウィンドチャイムのような沢山の風鈴の音がフェードインしてくる。 自…

一人であれば、名前は要らない

久しぶりに外に出た 日差しはいつもよりもなめらかで、歩く二人は影を一つにつなげて風をしのいでいた 日曜日の道路は混んでいるけれども、車で移動している時の僕のことは、僕だけが知っている僕なので、イライラすることはない 相手が男性か、女性が、年上…

そこにあるもの

灯りの消えた夜行バス 人々が眠る国際線 荷造りをする友達 結婚する元カノ ラブホテルに入るカップル 僕の知らないものを皆は見る まるで僕だけが知らないような気分になる でも、心の底まで落っこちた時の、世の中のすべてを彼らは知らない ひどい自分の愛…

おばかさんたち

夜を見上げて 星を少し付け足して 君の横顔みたいな 星座を作るの 明日は会えるね きっと黒のパーカーね 趣味じゃないけどZOZOで Sサイズ届いたよ 不安になるくらい 夢見心地なの 短い髪で背の高い君 となり 抱き合えた涙だよ 乾かなくってもいいね いっとき…

令和1年、平成31年。

思えば、自分の一年は希望で満ち溢れていた。 死ぬほどお世話になった所を去り、未経験の業界に足を運び、女性に振られた。 それだけだった。 生きるための最低限の営みをこなした後、いつでも雨戸が閉まっていて、いつでも電源の入れてある楽器のある部屋に…

Alone Again(naturally)

世の中で、一番不幸なのはあなたでもあるし、僕でもある あなたは身勝手な男性のせいで、宙に浮いているし、僕はずーっとひとりぼっちで宙に浮いている 僕らが一緒に居たら、二人で飛んでいけるじゃないか あなたはずーっと浮いてるくせに、地面が恋しいよう…

神様がくれたもの

額にはひどい汗、ライブ当日、僕は倒れ込んでしまった。 リハーサルを終えて、アドレナリンが身体から消えた瞬間、節々を支える力も一気に抜けて。 恥ずかしながら、僕は寒さに弱い。 てんで頼りない身体はすぐに別室に隔離され、そこには毛布と布団が用意さ…

war is over

そう、this is christmas. ってジョン、マジで? リバプールで聞いたけど、25日もヨーコとセックスドラッグロックンロールだったんしょ? そう、this is christmas. そうですか。 ヨーコと付き合ってるから知ってると思うけど日本人は変だからさ、みんな桜の…

悲しいことは

ひとりぼっちの部屋は、とても広くてとても静か 少しでも悲しくなると、部屋いっぱいにネガティヴが広がる だから、要らないものを置くことにした 大きすぎるソファ 壊れてイカしたラジカセ ばあちゃんのくれた人形 かつての恋人の電子ピアノ そうしたら、行…

わたしの雨

冬になると、みんなで厚着をする みんな、モコモコしだす 手をつなぐ 息が白く出ると、わたしたちを隔てているものが目に見える 手をつなぐ みんな これは、クリスマスに降るわたしの雨 わたしと同じみんなの雨 黒くて鋭い雨 イルミネーション、ツリー、恋人…

暑初見舞い

おはようからこんばんは。猫とランプの松本大地です。 きっと猫とランプの音楽を気に入ってくれる皆さまは、クーラーの効いた部屋で涼しく、薄く切ったオレンジを浮かべたアイスティーなどを窓際で飲んでいるに違いないのですが、僕はと言えばクーラーの効か…